VMAX1200が壊れやすいのは本当？中古購入時の注意点まとめ

出典：バイクの系譜

ヤマハVMAX1200は、そのユニークなデザインと卓越した走行性能で多くのファンを魅了してきたバイクです。

しかし一方で、「VMAX1200 壊れ やすい」といった声も耳にします。果たしてそれは事実なのでしょうか？

結論として、VMAX1200は適切なメンテナンスを行うことで十分に長持ちさせることが可能です。

この記事では、壊れやすいとされる主な理由や背景を紐解きながら、中古購入時に押さえておきたい具体的なポイントを解説します。

さらに、VMAXがなぜ安いのか、その理由についても触れ、購入後に後悔しないための対策を提案します。

VMAX1200の本当の魅力とリスクを正確に理解し、あなたにとって最適な選択肢を見つける一助になれば幸いです。

VMAX1200は本当に壊れやすいのか？

中古購入で注意すべきポイント

VMAX1200の中古車を購入する際には、いくつか重要なポイントを押さえておく必要があります。

このバイクは発売から数十年が経過しているモデルが多く、購入後のトラブルを避けるためにも、事前の確認をしっかり行うことが求められます。

まず、最も大切なのは整備履歴や状態の確認です。

ただし、VMAX1200は頑丈なエンジンを持っていますが、メンテナンスを怠ると耐久性が低下します。

具体的には、エンジンオイルの交換頻度や、ピックアップコイル、スタータークラッチなどの電装系部品が適切にメンテナンスされているかを確認することが必要です。

また、前オーナーの使用状況についてもチェックしましょう。

屋外保管で長期間放置されていた場合、ゴム部品や配線に劣化が見られることがあります。

次に、試乗が可能な場合は実際に運転してみて、異音や振動がないか確認してください。

具体的には、減速時のハンドルのブレや、ブレーキの効き具合に注意しましょう。

また、車両の年式や仕様が販売店の説明と一致しているかどうかも確認してください。

中古市場ではカスタム車両も多く出回っており、純正部品が装着されていない場合、修理時に追加の費用がかかることがあります。

さらに、購入後の費用も考慮しましょう。

このため、たとえ本体価格が安くても、消耗品の交換や必要な修理で予想外の出費が発生することがあります。

バッテリーやタイヤ、ブレーキパッドなどの交換が必要な場合、あらかじめ予算に含めておくと良いでしょう。

なぜ安い？その理由を解説

VMAX1200の中古車は、同クラスの大型バイクに比べて比較的安価で購入できることが多いです。

まず、VMAX1200の設計が古いという点が挙げられます。

このバイクは1985年に初めて登場し、基本設計がほとんど変更されていないため、最新モデルのような高性能な電子制御装備がありません。

これが新車価格にも影響しており、中古市場でも比較的安価に流通しています。

さらに、2000年代後半には後継モデルである1700cc版のVmaxが登場したことも、1200ccモデルの相対的な人気を低下させた一因となっています。

次に、流通量の多さも価格が安い理由の一つです。

VMAX1200は国内外で非常に多く販売されたため、中古市場に多くの在庫があります。

需要と供給のバランスから、比較的低価格で購入できるケースが多いのです。

さらに、VMAX1200はその特殊な設計ゆえに、維持費が高いと考えられることがあります。

具体的には、燃費の悪さや電装系のトラブル、メンテナンスに手間がかかるといった点が挙げられます。

こうした懸念から、購入を躊躇する人が一定数おり、市場での価格が抑えられているのです。

一方で、安価であることが必ずしもデメリットではありません。

エンジンの耐久性が高く、適切なメンテナンスを行えば長期間乗り続けられるという魅力も持っています。

安価に手に入る分、メンテナンス費用を捻出しやすいとも言えるでしょう。

熱ダレに注意する方法

VMAX1200の使用時には、熱ダレに対する注意が必要です。

このバイクは水冷エンジンを搭載していますが、特に夏場や渋滞時にはエンジンが過熱しやすい傾向があります。

適切な対策を講じることで、こうしたリスクを最小限に抑えることが可能です。

まず、エンジンの冷却性能を確保することが基本です。

そのため、ラジエーターの状態を定期的にチェックし、汚れや詰まりがないようにメンテナンスを行いましょう。

また、冷却水の交換や補充を怠らないことが大切です。

次に、高品質なエンジンオイルの使用が推奨されます。

熱ダレを防ぐには、エンジン内部で発生する摩擦熱を効率的に抑える必要があります。

そのため、耐熱性に優れたオイルを選び、適切な頻度で交換することが重要です。

さらに、運転中の工夫も有効です。

渋滞や長時間のアイドリングを避けることで、エンジンが過剰に熱を持つのを防ぐことができます。

また、エンジンが熱を持ちやすい状況では、ラジエーターファンの動作を確認し、異常がないか注意を払いましょう。

ピックアップコイルに関する故障リスクと対策

ピックアップコイルは、VMAX1200のエンジン点火システムにおいて重要な役割を果たしています。

この部品が故障すると、エンジンの始動不良や走行中のストールなど、深刻なトラブルにつながる可能性があります。

まず、ピックアップコイルが故障する原因として多いのは、経年劣化による断線や内部の損傷です。

この部品はエンジンの熱や振動にさらされるため、特に年式の古い車両では注意が必要です。

対策としては、定期的な点検が不可欠です。

サービスマニュアルに記載されている方法で抵抗値を測定し、異常値が確認された場合は速やかに交換を検討しましょう。

また、交換部品には純正品を選ぶことをお勧めします。

社外品を選ぶ場合は信頼できるメーカーのものを選び、品質が保証されているかを確認してください。

さらに、予防策としてエンジンルーム内の温度管理を意識することも効果的です。

ラジエーターや冷却系統の点検を行い、過熱による故障を防ぎましょう。

加えて、振動による断線を防ぐために、ピックアップコイルの配線やコネクタ部分に緩みや摩耗がないかを確認することも重要です。

バッテリーの寿命はどのくらい持つのか？

VMAX1200のバッテリーの寿命は、使用環境やメンテナンス状況によって異なりますが、一般的には約2～3年が目安とされています。

特に、屋外保管や頻繁に使用しない車両では、寿命が短くなる傾向があります。

バッテリーが劣化する主な要因として、過充電や放電不足が挙げられます。

例えば、週に一度程度しか乗らない場合、バッテリーが十分に充電されないまま使用されることがあります。

また、寒冷地では低温がバッテリー性能を低下させるため、寿命が短くなることもあります。

何キロ走る？燃費と耐久性

VMAX1200の燃費は、平均的な使用条件で1リットルあたり約14～16kmです。

ただし、走行環境や運転スタイルによって変動するため、一概にこの数値が適用されるわけではありません。

例えば、高速道路を巡航する際には18km/L程度まで燃費が向上することがありますが、市街地走行や渋滞では10km/L以下になる場合もあります。

燃費が悪化する要因としては、エンジンの調子やタイヤの状態が影響します。

キャブレター車両であるVMAX1200は、燃調が適切でないと燃費が大幅に低下することがあります。

そのため、定期的なキャブレターの調整や清掃が推奨されます。

また、タイヤの空気圧が不足していると走行抵抗が増加し、燃費に悪影響を与えるため、定期的な点検を忘れないようにしましょう。

耐久性については、VMAX1200のエンジンは非常に高い信頼性を持っています。

適切なメンテナンスを行えば10万km以上走行しても問題ないとされています。

ただし、長距離を走行する場合、エンジンオイルや冷却液の管理が特に重要になります。

定期的な交換を怠るとエンジン内部にスラッジが溜まり、寿命を縮める原因となるため注意が必要です。

VMAX1200が壊れやすいと言われる理由を検証

リザーブスイッチの役割と重要性

VMAX1200のリザーブスイッチは、燃料タンク内の残量が少なくなった際に使用する非常に重要な装置です。

このスイッチを適切に理解し活用することで、走行中の燃料切れを防ぎ、安全に目的地までたどり着くことができます。

言い換えれば、リザーブスイッチの役割は、燃料タンク内に残された予備燃料（リザーブ）を使用可能にすることです。

通常走行時、タンク内の燃料が一定量を下回るとエンジンへの供給が止まり、車両が停止するリスクが生じます。

このとき、リザーブスイッチを切り替えることで、タンク内に残された数リットルの燃料を利用できるようになります。

これにより、最寄りのガソリンスタンドまで安全に移動することが可能になります。

リザーブスイッチの活用には注意点もあります。

例えば、スイッチの位置を把握しておくことが重要です。

VMAX1200の場合、リザーブスイッチは車体の左側に配置されていることが一般的です。

また、走行中に燃料が不足してエンジンが停止する可能性があるため、燃料計や走行距離を定期的に確認し、早めの給油を心がけることも推奨されます。

さらに、リザーブスイッチを使用する際には、その後の給油を忘れないことが重要です。

リザーブ分の燃料を消費し切ると、完全に燃料切れとなりエンジンが始動しなくなります。

これを避けるため、リザーブに切り替えた場合は速やかにガソリンスタンドを目指すようにしましょう。

最終型の特徴と購入時のポイント

VMAX1200最終型は、2007年に生産が終了したモデルで、VMAXシリーズの集大成ともいえるバイクです。

この最終型にはいくつかの特徴があり、中古での購入を検討する際には、その仕様や状態をしっかり確認することが重要です。

最終型の最大の特徴は、長年のモデルチェンジを経て洗練されたデザインと信頼性の高いエンジンです。

1985年に登場したVMAX1200は、基本設計こそ大きく変わらないものの、1993年の大幅な改良以降、細かなアップデートを重ねてきました。

最終型ではこれらの改良が最も反映されており、特に耐久性や快適性の面で優れた性能を持っています。

購入時に注目すべきポイントとして、まずは車両の状態が挙げられます。

最終型であっても製造から10年以上が経過しているため、消耗品やエンジンの劣化が懸念されます。

タイヤ、ブレーキパッド、オイルフィルターなどの消耗品が交換済みかどうかを確認し、必要に応じて交換費用を見積もっておくことが重要です。

また、前述のピックアップコイルやスタータークラッチといった持病が解決済みかどうかも確認してください。

さらに、正規代理店や信頼できる販売店で購入することを推奨します。

整備履歴が明確で、保証が付いている車両を選ぶことで、購入後のトラブルを軽減することができます。

また、リザーブスイッチの位置や操作方法など、車両の基本的な仕様について販売店で説明を受けておくことも大切です。

最高速は？性能を数字で見る

VMAX1200は、その圧倒的なパワーと加速性能で知られています。

その性能を数字で見ると、そのバイクがいかに「直線番長」としての評価を受けているかが明確にわかります。

最高速に関しても、その設計と特性が如実に現れています。

VMAX1200の最高速は約220km/hとされています。

この数字は、車体の重さ（約300kg）や、空力性能を重視していないデザインを考慮すれば十分に高いと言えます。

特に注目すべきは、6,000回転以上で作動する「V-BOOST」という独自の機構です。

この機能は、特定のエンジン回転数に到達した際にキャブレターが追加の吸気を行うことで、急激なパワー増加をもたらします。

このため、最高速に達するまでの加速感は非常にスリリングで、多くのライダーが魅了される理由となっています。

新車価格はどのくらい？中古との違いを解説

VMAX1200の新車価格は、販売当時でおよそ120万円前後とされていました。

フラッグシップモデルとしての位置づけから、この価格は妥当と考えられていました。

しかし現在では、新車は流通しておらず、中古市場でのみ手に入るバイクとなっています。

中古価格は、年式や車両の状態、走行距離によって大きく異なります。

具体的には、状態が良いものは50万円以上、中には100万円を超えるものもあります。

一方、年式が古く、状態が悪いものは20万円台から見つかることもあります。

新車と中古車の違いで最も大きいのは「保証」と「整備状態」です。

新車の場合、メーカー保証が付いているため、故障時にも安心感があります。

しかし、中古車では保証が付いていない場合が多く、購入後に修理費用がかさむリスクがあります。

特にVMAX1200は古いモデルであるため、購入後に消耗品の交換や整備が必要となるケースがほとんどです。

もう一つの違いは、装備や仕様です。

中古車の場合、前オーナーがカスタムを施している場合が多く、純正状態ではない車両も多く見られます。

これが魅力でもありますが、場合によっては車検対応が難しいパーツが使用されていることもあります。

そのため、購入前には仕様をしっかり確認し、必要に応じて純正部品への戻しを検討することが大切です。

VMAX1200の中古車は、新車時の価格と比べて手ごろになっていますが、その分購入後の維持費用を考慮する必要があります。

VMAXが生産終了した理由とその背景

VMAXの生産が終了した理由は、主に排ガス規制の強化によるものです。

2007年にVMAX1200の生産が終了し、その後継として1700cc版がリリースされましたが、こちらも2017年には生産が終了しました。

この背景には、欧州をはじめとする世界各国での排出ガス規制が年々厳しくなっていることがあります。

特に、2016年に施行されたEURO4規制は、多くのバイクメーカーにとって技術的なハードルとなりました。

この規制をクリアするには、エンジン設計の大幅な変更や電子制御の導入が必要となり、古い設計のVMAXでは対応が難しかったのです。

VMAXの魅力であるV4エンジンと「V-BOOST」システムは、高出力を実現する一方で、燃費や排ガス性能の面では現代の基準に合致しませんでした。

また、VMAXは重量があり、燃費も良くないため、環境性能を重視する市場のニーズとは次第に乖離していきました。

加えて、スーパースポーツやアドベンチャーモデルが主流となる中、VMAXのようなドラッグレースを意識したバイクは市場での需要が減少したことも、生産終了の一因と考えられます。

VMAX1200は壊れやすい？維持と購入時の注意点まとめ

記事のポイントをまとめます。